「ウサギとカメ」のカメの生き方。
出来ない=劣っている
この考え方は人に生きにくさを感じさせる。
優劣、勝ち負けの世界で生きることはとても息苦しい。
実際にどれだけ自分が成長していたとしても、他者との比較で自分の現在の立ち位置を認識してしまうと自分の成長に気付きにくくなる。
昨日出来なかったことが今日は出来るようになった。
これは大きな成長なんだけど、「あいつはもうあんなことが出来るようになったのに、俺はまだこれしか出来ない」という風に考えてしまえば、それは自分が劣っているという意識を生んでしまう。
この意識がプラスに向くのならまだ良いのかもしれない。もう少し頑張ろうって。
ただ、これを劣等感とか、負い目とかと結びつけてしまうと、相手を妬んだり、自分を否定したり、やっていることを放り出したりしてしまう。
これはすごく悲しいことだと思う。
対人関係で最も怖いのは、対戦相手のいない競争を始めてしまうところ。
本当は昨日までの自分を好敵手として前に進んで行ければ良いのだけれど、一度視界に入ってきた自分よりできる人をおいかけてしまうと自分がどこへ向かえばいいのかを見失ってしまう。
それはあくまで相手はゴールが定まっているからそこに向かって歩を進めるけれど、自分は相手よりも前にいたいだけだから、その先に自分の叶えたい目的、目標はないため。
なんでこんなことが起きてしまうのか。それは出来ないことを劣っていることだと考えてしまうから。
そもそも自分と相手の能力差なんてどうでも良いことだ。
自分がやりたいこと、なりたいものに向かう途中に、他者はあまり必要ではない。
自分は自分だし、他人は他人に過ぎない。
そこに能力の差があったからなんだという話。
能力がないと気付いたら出来るようになるまで練習する。
出来るようになったら自分を認める。
そして、そこから得た自信を次へ踏み出す活力にする。
どこにも他人が入り込む余地なんてない。
競争に巻き込まれてはいけない。
挑発に乗ってはいけない。
自分の道を自分の足で着実に歩いていけばいい。
目標なんて本当はそう遠くないところにあるんだから。